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法律知識

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ロマンス詐欺の基礎知識と対応方法

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1. ロマンス詐欺とは何か?どこから詐欺になるのか


ロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリで親密な関係を作り、恋愛感情や結婚への期待を利用して金銭をだまし取る手口です。警察庁も、直接会ったことのない相手とのやり取りの中で、投資・結婚資金・立替金などの名目で送金させる類型を“SNS型ロマンス詐欺”として注意喚起しています。



ロマンス詐欺は“恋愛トラブル”ではなく犯罪になる?


単なる交際上のもめごとと違い、最初からだます意思で金銭を交付させた場合は、刑法246条の詐欺罪に当たり得ます。つまり、“好きだったのに裏切られた”という感情面の問題にとどまらず、相手の虚偽説明によってお金を渡したなら、刑事事件として扱われる可能性があります。被害者側としては、“自分が信じたから悪い”と考え込まず、事実関係を整理して相談することが重要です。



恋愛の話をしていたのに、途中から投資話になったらどうなる?


警察庁の注意喚起でも、ロマンス詐欺の被害の多くは“投資”を口実にお金をだまし取られる形だと示されています。実際、最初は恋愛感情を深めるメッセージを送り、その後に投資サイトや専用アプリへ誘導し、さらに高額送金を求める流れが典型例です。“交際の相談”に見えても、途中から資産形成、暗号資産、ネットショップ運営などの話が出てきた時点で、法的には詐欺被害として見る必要が高まります。



一度も会っていない相手だけがロマンス詐欺なの?


典型例は“直接会ったことがない相手”ですが、短時間だけ会って信頼を補強するケースもあり得ます。重要なのは、実際の関係の深さではなく、恋愛感情や将来への期待を利用して送金させたかどうかです。“会ったことがあるから詐欺ではない”とはいえず、本人確認が曖昧、生活実態が不明、送金先だけが次々変わる場合は特に注意が必要です。



2. どんなメッセージが危険信号になるのか?


ロマンス詐欺は、最初から露骨にお金を要求するとは限りません。むしろ“あなたを大切に思っている”“2人の将来のため”という好意的な言葉と、お金の話が自然に結び付けられる点が危険です。



“LINEに移ろう”と言われたら怪しい?


警察庁は、マッチングアプリ上で知り合った後、早い段階でLINEなど別サービスへ誘導された場合は詐欺を疑うよう注意喚起しています。これは、運営側の監視を避け、証拠が散逸しやすい環境へ移したいという意図があるためです。移動自体で直ちに詐欺と決まるわけではありませんが、移動後すぐに投資話、送金、秘密保持の依頼が出るなら要警戒です。



“結婚したい”“会いに行くために費用が必要”はよくある手口?


はい。警察庁の事例でも、“結婚を約束した”“会いに行く”“仕事資金を立て替えてほしい”“契約違反で捕まる”など、将来の関係をにおわせて送金させる手口が紹介されています。恋愛関係の中での一時的支援に見えても、身元確認が取れていない相手に繰り返し送金する場面では危険性が高いです。とくに、航空券代、税金、通関費用、保釈金、病院代など、もっともらしい名目が次々追加される場合は典型的です。



“出金前に保証金や手数料が必要”と言われたら?


これは非常に強い赤信号です。警察庁は、利益が出ているように見せかけた後、出金しようとすると各種名目でさらに送金を求められ、結局出金できない流れを典型例として示しています。“税金を払えば戻せる”“認証費用が必要”“口座凍結解除のために追加送金して”という説明は、被害拡大の場面でよく見られます。ここで支払ってしまうと、取り返しがさらに難しくなるため、その時点で送金を止めて相談すべきです。



3. 被害に気づいた直後は何をすればいい?


ロマンス詐欺では、初動が遅れるほど証拠や資金の追跡が難しくなります。恥ずかしさや混乱から一人で抱え込まず、“送金停止・証拠保全・相談”を同時進行で進めることが重要です。



まず最初の24時間でやるべきことは?


まず最初の24時間でやるべきことは?



警察には110番?それとも#9110?


進行中で切迫した危険がある場合は110番ですが、被害相談や真偽確認の段階なら警察相談専用電話“#9110”が案内されています。警察庁・金融庁も、振り込め詐欺やSNS型ロマンス詐欺の被害が疑われる場合には警察へ連絡するよう示しています。相談が早ければ、口座凍結や関係機関への連携につながる余地があります。



証拠は何を残せばいい?スクショだけで足りる?


スクリーンショットは重要ですが、それだけでは不十分なことがあります。日時が分かるチャット全文、相手のID・URL、プロフィール変更履歴、送金日時と金額、振込先名義、暗号資産ウォレットアドレス、通話履歴、送付を求められた書類を残しておくべきです。相手が削除・ブロックする前に、PDF保存やクラウド保管もしておくと、後から“言った・言わない”になりにくくなります。



4. ロマンス詐欺のお金は取り戻せる?


“絶対に全額回収できる”とはいえませんが、手段がゼロというわけでもありません。特に、国内口座への振込が使われているか、暗号資産か、加害者の特定ができるかで見通しは大きく変わります。



銀行口座に振り込んだ場合は返金の可能性がある?


あります。金融庁は、正式名称“犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律”に基づき、振込先口座に残っている資金があれば、被害回復分配金の支払を受けられる可能性があると案内しています。しかも、金融庁はSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺も、預金口座等への振込みが利用された場合は対象になると明示しています。もっとも、犯人がすでに資金を引き出していたり、残高が少額だったり、複数被害者で按分になる場合は、満額回収できないこともあります。



暗号資産で送ってしまった場合はもう無理?


銀行振込より難易度は上がりますが、直ちに諦める段階ではありません。警察庁は、ロマンス詐欺で暗号資産投資へ誘導する事例を具体的に示しており、金融庁も暗号資産交換業者は登録制であること、無登録業者との取引に注意すべきことを公表しています。利用した取引所が国内登録業者なら、照会や記録保全の糸口が残る場合がありますが、海外業者や個人ウォレットへ直接送っていると追跡はかなり難しくなります。



加害者が分かれば損害賠償請求できる?時効はある?


加害者を特定できるなら、民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求が問題になります。もっとも、ロマンス詐欺では相手が偽名・海外居住を装うことが多く、実際には特定が最大のハードルです。また、不法行為の請求には時効の問題もあるため、被害に気づいた後に長く放置するのは危険です。刑事と民事は別ルートなので、“警察に相談したから民事は後でいい”と考えず、並行して整理するのが現実的です。



5. 相談先と予防策はどう考えればいい?


相談先と予防策はどう考えればいい?



弁護士・警察・消費生活センター、どこに相談すべき?


警察は刑事面と初動連携、金融機関は振込先口座や手続確認、弁護士は損害賠償や証拠整理、消費者ホットライン188は相談先の入口として役立ちます。警察庁の案内でも#9110と188が掲示されています。実務上は、まず警察と金融機関へ連絡し、その後に弁護士へ事情をまとめて相談する流れが動きやすいです。



家族や職場に知られたくない場合でも相談できる?


できますし、むしろ早く相談した方がよいです。ロマンス詐欺の被害者は“自分だけがだまされた”という羞恥心から、さらに追加送金してしまうことがあります。秘密にしたい気持ちは自然ですが、少なくとも一人の信頼できる家族や専門家に共有しておくことで、冷静な判断と証拠保全がしやすくなります



“返金できます”という二次被害にはどう注意する?


被害後に“回収業者”“海外調査機関”“暗号資産追跡の専門家”を名乗って近づき、さらに着手金や調査費を取る二次被害も注意が必要です。特に、“必ず取り戻せる”“今日中に払えば凍結できる”という断定や過度な焦らせ方は危険です。返金可能性は事案ごとに大きく異なるため、法律事務所や公的相談窓口でも、回収の可否を即断定する説明には慎重であるべきです。

ロマンス詐欺では、“恋愛感情があったのだから仕方ない”では終わりません。刑法246条の詐欺罪、不法行為に基づく民事請求、そして振り込め詐欺救済法による被害回復の余地など、法的に検討すべきルートは複数あります。会ったことのない相手からお金・投資・暗号資産・立替金の話が出た時点で、一度立ち止まり、送金前なら予防、送金後なら初動対応へすぐ切り替えることが重要です。


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